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2009年4月

『排除の空気に唾を吐け』雨宮処凛

『排除の空気に唾を吐け』雨宮処凛■内容■
犯罪・事件などをとおして労働や貧困の問題に迫る。秋葉原無差別殺人事件、北九州餓死事件、池袋通り魔事件などがとりあげられている。


■感想■
雨宮処凛は一貫して「貧困」の問題をとりあげている。

もうずいぶん書籍をだしているから、そろそろ食傷ぎみかなと思ったがそんなことはなかった。

知らなかったことがたくさんあった。

まず、1999年の池袋通り魔事件の犯人が、派遣労働者だったこと。

餓死によって亡くなってしまう人が意外と多いこと。

あと、息子(29歳)が認知症の母親(59歳)を橋の下に捨て、仕事帰りに弁当やパンを与えていた、という話も衝撃的だった。

特に興味を持ったのは、「戦争の民営化」の話。

これからどうなっていっちゃうんだろうね、いろいろ。

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『マジョガリガリ』森達也

『マジョガリガリ』森達也■内容■
毎回ひとりをゲストに呼んでトークをする、森達也がパーソナリティをつとめたラジオ番組『森の朝ごはん』(TOKYO FM、2005〜2007年)の書籍化。ゲストに辛酸なめ子、鈴木宗男、茂木健一郎、井筒和幸、香山リカ、曽我部恵一、桐野夏生、蜷川実花、宇梶剛士、糸井重里、アーサー・ビナード、若松孝二ほか。


■感想■
まず、ゲストのメンツがおもしろい。

桐野夏生さん、蜷川実花さんがここに登場したのが意外に思い、どんな話をしたのかとても気になった。

桐野さんとは報道のあり方、請負・派遣の問題について、
蜷川さんとはテレビを中心とした情報の選択や森さんとの共通点について語っている。

しかも、蜷川さんが森さんの作品のファンっていうのも意外だったなぁ。

あと、この本を読んで初めて知ったこと。そしてとても驚いたことがある。

『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』という絵本の構成と文章を担当したアーサー・ビナードさんという詩人が、第五福竜丸の被爆について語った部分だ。

ビナード 僕がこの事件の詳しいことを知ったのは日本に来てからなんですが、どうしても腑に落ちないことがあったんです。無防備な木造漁船でしょう? もしペンタゴンが、最大の軍事機密に触れた連中がそこにいたと気づいていたら、絶対に帰すはずがない。いったいどうやって撃沈されずに焼津に戻れたんだろう。…要するに久保山さんという無線長は、無線を打たなかったんですね。

 米軍に傍受されたら命が危ないと最初からわかっていた。

ビナード …久保山さんはピカだと察知した。そして漁労長の見崎さんと相談、どうやって生きて焼津に帰れるか、危機的状況の中で、正しく判断したんです。…放射能病で亡くなった久保山さんは、よく被害者のように扱われるけど、彼は英雄ですよ。二十二名の仲間を救ったし、その二十二名が僕らを救ったんです。彼らが「助けて!」という無線を打って撃沈されてこの事件がなかったことにされていたならば、もう核の冬を迎えていたかもしれない。…
(『マジョガリガリ』より)

なんだかいろいろ考えさせられました…。

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