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『天才アラーキー 写真ノ方法』荒木経惟

天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書)■内容■
アラーキーの写真論がたっぷりつまった、語り下ろしで作られた新書。ポートレート、街、韓国、仏像などのテーマごとに語られている。写真を撮る人も撮らない人も楽しめるアラーキー哲学が満載。


■感想■
「語り下ろし」と言っても、ほとんどの本は編集の手がかなり加えられたり、後で加筆修正をされたりして、書き言葉みたいなものが多い。
この本は、アラーキーの口調そのまま!って感じだ。

もちろん編集者が整理してはいると思うけれど、しゃべっている感じをだいぶ残してあるから、臨場感たっぷりで味わい深い。

慣れるまではちょっと読みにくかったけど。

あとがきにも「酒飲みながらしゃべってるから…」と書いてあるとおり、アラーキーがそのとき思ったことをそのまま語っているようだけど、ハッとさせられる言葉がたくさんあった。

「革命家にはなれない。革命家っていうのはね、バカになって、時代が死のうが自分が死のうがいいっつうくらいエネルギーがなくっちゃなれないからね。そういうの、俺には何もないの。俺なんか、国が滅びても君だけは救いたいって思ってる人だから(笑)。覚醒家? 駐車、お股の注射、ですよ……。ハハハハハ」
「ファッションモデルやタレントなんかだって、“これはあたしの好みじゃない”なんて言って赤い服を着ないなんていうことあるでしょ。これは伸びないね。一回犯されないと。まず着てみろ! てんだよ。…中略…自分だけの思い込みでやると、ものすごく狭くなっちゃってさ、広がらないでしょ。だからね、ちょっと犯さすんですよ。犯さすって変だけど、自分と違ったこと、自分と違った好みも正しいってこと、さ」
「“昨日やった女です”とか、“これは俺の姉貴です”とか写真に説明つければ、どうとでもなるんだよ。それぐらい言葉っつうのは人間の武器っつうか、伝達にぴったりなのよ。映像ほどあいまいなものはない」
「写真は現実を見せられないっつうことですよ。写真と現実は違うだろ? 写真は、現実に触発された何かなんだな。嘘つきの(ほう)が現実に近いってことがあるからね。現実は幻実です」
(すべて『天才アラーキー 写真ノ方法』より)


話している光景が目に浮かぶ。
さらっとこういうこと言っちゃうところがね。
もう素敵すぎる。

ますますアラーキーを好きになってしまいました。

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