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2008年7月

『天国からのラブレター 』本村 洋、本村 弥生

『天国からのラブレター 』本村 洋 (新潮文庫)■内容■
「光市母子殺害事件」被害者、本村さん夫妻(主に弥生さん)の残された書簡、日記を中心にまとめられた1冊。本村さんと弥生さんの出会いから、遠距離恋愛の時期、結婚、育児…二人と子どもの生活が詳細に綴られている。


■感想■
かなり赤裸裸というか、詳細に二人のことが書かれている。
ほんとうに普通のカップルの話ばかり。

メディアにたびたび登場し、話をしている本村さんをみて、なんてしっかりした人なんだろうと思っていた。
でも、もともとはごく普通の青年だったんだということがわかった。

あの事件によって、そうならざるをえなかったんだろう。
そういうことを考えたら、あまりにも痛々しく、せつなくなった。

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『なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか』今枝 仁

なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか■内容■
注目を集めた「光市母子殺害事件」被告・元少年の弁護団を解任された今枝弁護士が、マスコミの苛烈なバッシングや解任の理由、橋本氏の懲戒請求問題、元少年Fくんについて書いた本。


■感想■
ばーっと読みながらまず思ったことは、同じようなことが何度も何度も書かれすぎていて、「ここ読んだような気がする…」っていう文章が多い。

ページ数を稼ぐためかなぁ。

あと、今枝弁護士の半生も長い。
小さい頃頭がよかった→心療内科入院・学校中退→大検とって弁護士へ
っていう話。
興味深いし、すごいと思うけれど…。

しかも、「自分は書きたくなかったけれど編集の人に頼まれて…」、「こんな恥をさらしたくなかったけど…」なんて書いてあるのには萎える。

その他の部分は共感できるところもあったし、おもしろかった。
とても正義感が強く、誠実な人柄が存分に伝わって、自分が弁護士が必要なときには頼みたいと思ったくらい(笑)。
この本を読んだ限りきっと、すごいピュアな人なんだろうなーと思った。
ピュアなところが怖いっちゃ怖いけど。

事件が報道されていたときは被害者よりのものばっかりで、弁護団からの意見が知りたかったので、読んでよかった。
弁護団は弁護団なりの立場でいろいろ大変なんだなと、あたりまえのことを思った。
そういうあたりまえのことってアツくなると忘れちゃうんだよね。

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『映画「靖国」上映中止をめぐる大議論』森達也、鈴木邦男、宮台真司 他

映画「靖国」上映中止をめぐる大議論■内容■20008年4月に起こった、映画『靖国』の上映中止をめぐる問題についてまとめられている。李纓、田原総一朗、筑紫哲也…のジャーナリスト会見での発言や、鈴木邦男×宮台真司、佐野史郎×鈴木邦男×森達也の対談・鼎談、若松孝二、原一男のインタビューほかを収録。


■感想■
タイトルの『映画「靖国」上映中止をめぐる大議論』のとおり、いろんな人があの件について語っているんだけれど、基本ここに出ている人の主張は擁護派だ。

でも、その理由が人それぞれでとても興味深い。

宮台真司の意見がいちばん良かった。

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『モテたい理由』赤坂真理

モテたい理由 (講談社現代新書 1921)■内容■
小説家である赤坂真理さんが万を辞して(?)出版した男女論エッセイ。女性誌などを中心に蔓延する“モテ”について、そして現代の恋愛…というか女性の暴走について語る。


■感想■
女性誌で“モテ服”、“合コン必勝服!”なんて書いてあるのを見かけると、なんとなくいやらしさを感じていたんだけれど、まさにそのことを書いた本だった。

共感できるところが多かった。

これを読んでから、『CanCam』の目次を読むとなかなかおもしろい。
編集のひとはどんなテンションで働いているんだろうなぁ…。

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『怖い話はなぜモテる』稲川 淳二 平山 夢明

怖い話はなぜモテる■内容■
怪談の語り部・稲川淳二と平山夢明が怪談、オカルトに秘められた謎を解き明かす対談集。怪談・オカルトブームの背景、発生の要因、など。


■感想■
怖い話なんてすっごい苦手なのに、平山さんのエッセイのファンだから買ってみた。

どうせ対談だし…と思ってたかをくくっていたんだけど、ところどころでてくるエピソードが怖い!
夜トイレ行くのがちょっと怖かった(笑)。

とりあえず、この二人をくっつけて本を作ったのがすごいなぁ。
平山さんのぶっとびまくったところがあまり出てないのがちょっと不満だけど、稲川さん自身のことがすっごいおもしろかったからまぁいいか。

でも、内容をちゃんと読んだうえで、タイトルがあんまり良くないなと思った。

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『「狂い」の構造』平山夢明・春日武彦

「狂い」の構造 (扶桑社新書 19)■内容■
小説家・平山夢明と精神科医・春日武彦が、異常殺人や給食費未払いや引きこもりなどの時事ネタを題材に、狂気について語った対談集。二人の身近な人間などの実例も挙げながら、“狂気とは何か”を語りたおす!

■感想■
平山さんの小説は読んだことはないけれど『SPA!』の連載エッセイなんかを見ていて、かなりおかしな人だなぁと思っていた。
そんでこれを読んで、やっぱりこの人はホンモノだ!と思った(笑)。

観察眼がすごいのか、運なのか、そういう星のもとに生まれたのかわからないけれど、とにかく平山さんの見た“おかしな人”がおもしろすぎる!
そんな人なかなか会わないよっていう、変な人がたくさん周りにはいるらしい。すごい…。

狂気ってなんだろう…とか、そういうことはけっこうどうでもよく、ただただ平山さんがおもしろすぎるっていうだけであっという間に全部読めてしまう。

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『全身当事者主義』雨宮処凛

全身当事者主義―死んでたまるか戦略会議■内容■
自身も生きづらさを抱え、若者の問題に取り組んできた著者が、「当事者」として関わってきたテーマについて語る対談本。対談相手には、森達也、高遠菜穂子、三浦展、松本哉、月乃光司、暗器使いの6人。

■感想■
いちばん興味深かったのは、イラクで人質になった高遠菜穂子の章。
解放され日本に帰国したとき、「またイラクへ行きたい」と言い、ものすごいバッシングをされていたっけ?

あのときは、私もなんとなく「自己責任」だと思っていたような気がする。ボランティアとかも、なんとなくうさんくさいと思っていたし。

でも、この本で高遠さんのお話を読んで、素直にすごいなぁと思った。

森達也も、もちろんおもしろい。日本の貧困の問題を甘く見ていた、勉強不足だったと語った森さんは、この後もっと問題にコミットしていくのかなぁ。そうなったら、もうちょっとおもしろくなりそうなのに。

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『性犯罪被害にあうということ』小林美佳

『性犯罪被害にあうということ』小林美佳■内容■
24歳で性犯罪被害にあった著者の体験手記。被害にあったときのこと、その後の人生にどれほどの影響をおよぼしたのかが赤裸々に綴られている。
■感想■
性犯罪について、ネットなどで意見を読んでいると性別によって考え方がかけはなれていることを感じる。男性が同じような思いをすることは少ないし、気持ちを理解してもらうことなんて無理だ。そう思っていた。

だから、この著者が被害にあったときに、いちばんの支えとなったのは家族でもなく、女性の友人でもなく、元カレだったことが意外だった。被害後、一緒に警察に行き、その後も毎日のように家に訪れて彼女を支えた。

被害に遭わせたのも男性だし、彼女を支えたのも男性だった。

これまでごく一部のことを全体にとらえて、男性全般に対して「これだから男は…」と思いがちだったのかもしれないと、少し申し訳なく思った。男性でもいろいろな人がいるわけだし、もちろん女性だって同じだ。

それにしても、性犯罪だけはどうにもこうにも感情的になってしまうんだよなぁ…。犯人すごいムカつく!
本当にこんな犯罪無くなって欲しい。

男性にこそ、この本を読んでもらいたい。

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『お姫様とジェンダー』若桑みどり

お姫様とジェンダー―アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門 (ちくま新書)■内容■
『シンデレラ』や『眠り姫』などのプリンセスストーリーのアニメを学生たちに見せた、大学での講義を元に作られたジェンダー入門本。

■感想■
こういう見方もあるんだなぁと、改めて考えるきっかけになった。学生たちの反応はとても興味深い。

最近、ドラマやCMなどを見ていても、あまりにも鈍感に作られているものが多くて、気になっていたところだった。
でも、こういうことを声に出して言うことに意味があるのかなぁって気もする。
言ってもどうせ変わらないし、ウザがられるだけだ。

ジェンダー系・フェミ系の本を読むと、すごくおもしろいんだけれど、すごくむなしい気持ちにもなってしまう。

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『公務員クビ!論』

公務員クビ!論 (朝日新書 96) (朝日新書 96)■内容■
市役所・県庁職員を経て、中央官庁で働き、現在は大学で准教授を務める著者による公務員解説本。キャリア官僚・地方公務員など、それぞれの職務の解説をしながら、現行制度の悪い点や今後について提言をしている。

■感想■
全体をとおして読みやすく、公務員の仕事や制度などについての説明もとてもわかりやすい。
若干、公務員に甘いような気はしたけれど、著者の言っていることはよくわかる。
公務員もいろいろ大変なんだということがわかり、これまで、公務員を民間と比較してムカついていたけれど、全く異なるものだからそれを公務員自体にぶつけるのは間違っていたんだと思った。

ただ、“年功序列で給料があがっていく、実際お茶汲みの女性が勤続年数が多いというだけで年収一千万くらいの人もいる”という部分はかなり驚いた。そりゃ文句言いたくもなるよね。
もちろんそのもらっている人が悪いわけではないけれど。

ちょうど最近、大阪府の給料減額の問題や、公務員制度改革のことなど、いろいろ騒がれている。そういうニュースを見る目もなんとなく、変わった気がする。

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